歯科衛生士として大切にしていることは?
私は、1時間という限られた診療時間をとても大切にしています。
その短い時間の中で、私が行っている施術やお伝えしている内容が、患者さんの心にしっかり届くかどうか。それが、自宅に帰ってからの毎日のケアにつながり、3ヶ月後のメンテナンスまで健康な状態を保つ力になると考えています。だからこそ、この1時間の中で「どう伝えるか」「今後どのように予防していくか」を常に意識しています。そして、患者さんが「この歯科医院で、この衛生士さんに出会えてよかった。予防のおかげで寿命が少し延びた気がする」と思ってくださるような存在でありたいと思っています。
患者さんへの想いについて
「あの時予防をしていたから、健康で長く生きられた」と最後に思っていただけるような衛生士でありたい
歯科医院は命の現場ではないかもしれません。私たち歯科衛生士も、直接命を救う仕事ではありません。それでも、「あの時予防をしていたから、健康で長く生きられた」と最後に思っていただけるような衛生士でありたいと強く思っています。私は、ただ口の中を掃除するだけの衛生士ではなく、菌のことをきちんと説明し、口の中の状態から体のバランスや内臓の状態まで読み取れるような衛生士でありたいと考えています。実際、当院に新卒や中途で入ってくる衛生士さんたちも、こうした考え方に興味を持つ方が多く、長く勤めてくださっていると感じます。患者さんも、そうした価値を理解して来院してくださっているのだと思います。
最近では、歯があるのに嚥下機能が衰えて食事ができないケースが増えています。そうした状況を見ると、「お掃除だけでは足りない」と強く感じます。口の中の筋トレ──ほっぺたの筋肉、舌の筋肉、そして喉仏のトレーニング。教科書に載っていることだけではなく、実際に食べる力を支えるためのアプローチが必要です。食べたいのに食べられない人に、もう一度食べられるようになってほしい。人間の最後に残る欲は“食欲”だと思っています。その欲を守るためには、口の中を清潔に保つこと、そして口の筋トレを続けることが欠かせません。
私は、この大切さを一人でも多くの患者さんに伝えていきたいと思っています。口の健康を守ることは、その人の人生の質を守ることにつながる──その想いを胸に、これからも予防の大切さを伝え続けていきたいです。